Episode-1 最初の作品
初めてプロモーションビデオを手がけた時、新郎新婦様の生まれ育った場所を見たいと思い
カメラを持って車で約1時間半の山間の町へ向かいました。
町の雰囲気は、自分がイメージしていたものでしたが、通っていた小学校は木造校舎ではなく
鉄筋の校舎でした。近くを散策していたら木造の公民館があり、建物の前には「二宮金次郎」の
銅像が・・・。まさにイメージしていたものでした。
聞いてみたら、昔は小学校だったそうです。
その側を、ランドセルを背負った小学生が元気良く帰って行きました。。
新郎様も子供の頃、こうやって通っていたのだろうなと思い、その姿を動画に映し素材として
使用しました
。
プロモーションビデオを一本作成するのに、約1ヶ月かかってしまいました。
新郎新婦様に完成したものを見てもらった時、一緒に涙してしまいました。
Episode-2 映画の主人公
新郎様はある映画の大ファンでした。
ついに、その時がやってきたという感じで、PVのイメージを語り始めました。
新婦様は、最初は「PVは彼の好きなようにどうぞ」、という感じでした。
私も、新郎様が大好きな映画のビデオを借りてきて、何度も見てイメージ作りしました。
映画のシーンを流用すると著作権に触れるので、同じような写真・素材を集め作品を製作しました。
途中で、新婦様もその気になってきて、色々なシーンに協力してくれました。
エンドロール作成時、新郎様の名前の前に「監督」と入れたら、新婦様が、「私は助監督ねっ!」って。
構想から、完成まで約2ヶ月の大作でした。
Episode-3 プロジェクト−?
新郎様はあるドキュメント番組の大ファンでした。
新郎様は自分が誕生してから、彼女を獲得するまでの道のりをドキュメントにしたかったのです。
最初の打ち合わせの時、こんな事ができますか?と聞かれ、私もやってみたくなって
その話に乗ってしまいました。
次に会った時は、絵コンテをカレンダーの裏にいっぱいに書いてきてくれました。
イメージ、文字の出し方・・・等。
「母の笑顔は・・・普遍の愛と絆の証」。写真のコメントも全てドラマチックでした。
そんな、製作の過程を静かに見守っていたのが、新婦様でした。
その存在は、私にはひまわりの様に感じて、新婦様の紹介タイトルのバックにひまわりの写真を
挿入しました。
作品が仕上がった時、新郎様がびっくりしていました。
新郎様も新婦様のことを、ひまわりのような感じの人だと感じていたらしいのです。
私はその話を聞いた時,、鳥肌が立ってしまいました。

Episode-4 もう一人の父親
ヒアリング時、色々な話をさせて頂きます。
二人の生い立ちはもちろんの事、二人は普段何をしているか?どんなパーティーにしたいのか?
実家のこと等・・・。
そんな話の中で、新婦様のお父様がテーラーをやっている事を聞きました。
それならば、新郎様にタキシードを作ってあげたらと思っていたら、既に作っているとの事。
新郎様のお父様は既に亡くなっており、新しい父親が新しい息子の為にタキシードを作っている
姿をPVに作成したくなり、私から作らせて下さいとお願いしてしまいました。
当日、新郎様から新しいお父様へお礼の言葉を言おうと思っていたのでちょうど良かったと
喜んでもらいました。
新婦様のお父様のアトリエ、お父様が製作している姿、お父様の愛用のアイロン・・・。
そして、出来上がったタキシード2着。約1分の作品でした。。
披露宴当日、PVを流した瞬間・・・。よりいっそう、親子の絆が深く結ばれました。

Episode-5 結婚式間近なのに冬山へ・・・。
スノボが大好きな二人。
プロモーションビデオの話を進めるうちに、動画をどうしても入れたい話になりました。
結婚式も間近だというのに、二人は冬山へカメラを持って飛んでいきました。
道中からカメラは回り、雪山が近づいてくる、ワクワク感が伝わってきました。
スキージョーへ入ると、新郎様のおどけたスノボ姿。わざと前転したり。
一方、新婦様のほうは華麗なるすべりを披露。新郎様が後から滑りながらずっとカメラを
回していました。
ジャンプのシーンは、飛び終わった後転倒するシーンは面白く、成功したシーンは
スポーツPVの様にかっこよく編集しました。
新婦様のジャンプは、ほんの少しの高さでしたが、編集でスローにして地面をカットしたら
すごいジャンプしたように見えたので、新婦様は大喜びでした。
プロモーションビデオを作っている時間は、新郎新婦様と一緒に楽しんだり、喜んだり、
感動したり、本当に素敵な時間を過ごさせて頂いていると感じています。

Episode-6 ドリフト
ある日、新郎新婦様とご家族の試食会の席に呼ばれました。
新婦様は、素敵なドレスを着られる事でとても満足。
そんな新婦様から、新郎様が大好きな車のシーンをいっぱい入れたプロモーションビデオを
作ってもらったらという提案でした。
新郎様は目が輝いていました。
子供の頃からのプロフィールの打ち合わせ後、新郎様は何度も私の事務所へ
動画や写真を持って訪れました。
私の方であるシーンを撮って来てもらえないかお願いしました。
新郎様が、車に乗り込み大好きな音楽CDを挿入し、エンジンをかけ、出かけていくシーン。
このPVのオープニングにしたかったのです。
何も音がしない車の室内で、新郎様がCDを入れるシーン。
音楽(PVのBGM)が聞こえ始めると、エンジンキーを回しエンジンスタート。
車庫から愛車のスカイラインがゆっくり出てくるシーンでした。
基の動画は、当然ありのままですが、色々な効果を加え、新郎様からは「かっこいい!」の
声が。この瞬間、私は心の中で「ヤッター!」と思いました。
その他、持ってきてもらった動画の中にレースのシーンが。
話によると、このレースで優勝したら新婦様にプロポーズする予定だったそうです。
結果・・・。優勝!
そして、プロポーズのシーンが動画に収められていました。
表彰台から降りてきた新郎様が新婦様へ向かって、新婦様に向かってプロポーズ。
そして・・・。
Episode-7 大切な物
プロモーションビデオを作るとき、いつも新郎新婦様にとって大切な物や思い出を一緒に
入れてあげたいと思い、大切な物はありますか?と聞きます。
新郎様は特に無いかなといっていたのですが、胸元にあまり見かけないシルバーのペンダントが。
そのペンダント素敵ですねと言ったら、こだわりのペンダントを手に入れるまでの思いを
語り始めました。その場でそのペンダントを写真取らせていただいて、プロモーションビデオの
イメージ画像に入れました。
かっこいいBGMに合せ、その写真をちょっと加工してかっこ良く表現したら、
とても喜んでもらいました。
新婦様は何か大切な物は?と聞いたら、私は高校時代の友達との思い出が宝物ですと言われました。
プリクラの写真や、コンビニの前で座って食事をする写真。
かわいく写真表現したら、これもまた大喜びして貰えました。
新郎新婦様の新婚旅行先から、お礼の電話を頂きました。国際電話高くついたと思います。

Episode-8 車メーカーなのに・・・
新郎様は車メーカーに勤務していました。しかし趣味は?と聞くとバイクです。
絶対バイクの写真や動画を入れたいのですと言って来ました。
会社の方もたくさん来られますよねと確認しましたが、大丈夫です!と言う返事。
新郎様は休日に友達とバイクの動画を撮りに行ってくれました。
新郎がカーブの向こうから走ってくるシーンを撮るシーンですが、一般公道のため
普通の車ももちろん走ってきます。
新郎様がバイクで走ってくるシーンが近づいて来て、カメラが回っているとそこに何と!
偶然新郎様が勤務している会社の車がゆっくり走って行きました。
もちろん、そのシーンから使わせて頂きました。
新郎様が走ってくるシーンもとてもかっこ良く、音も良く取れていたのでエコーを加え
走り去っていく余韻を表現しました。
本人の顔は殆ど分りませんが、彼らしさも会社の車もアピールできた作品が出来ました。

Episode-9 エコな家族
新郎様はお酒が大好き。
かっこいい車を何台も乗りついできましたが・・・。
今はエコな自転車で移動。家族はとっても暖かな家族。
既にお子様もいらっしゃって、とても仲良し。
そんな家族が、自転車で近所の公園へお出かけするシーンを撮りたくなって提案しました。
新郎新婦様は快く引き受けてくれて、ある公園で待ち合わせ。
新郎新婦様の自転車の後ろには、それぞれお子様が乗っていました。
遠くへのお出かけでなくても、家族が一緒に過ごす時間の大切さを見せ付けられた瞬間です。
きっと、お子様たちも大きくなってこのビデオを見たとき、両親の暖かい心に感動すると
思いました。

Episode-10 たくさんの感動をありがとうございます。
今まで、300組近くのカップルのプロモーションビデオを作成してきました。
お二人のエピソードを聞き、写真を見ながら編集作業していると、その写真への思い込みが
いっぱいになり、一枚の写真の編集に何時間も掛かった事もあります。
又、その写真を涙を流しながら編集した事もあります。
皆様のおかげで感動を味わう事が出来、皆様の思い出の一瞬に係われた事が
私にとっての、宝物です。
Episode-11 白雪姫と8人の小人達。
突然、その依頼はやってきました。
数年前、結婚式のプロモーションビデオを作って頂いた奥様からの依頼でした。
友達の結婚式に余興を依頼されたとの事。
女友達8人でその余興用のPVを作りたいので一緒に考えて、作って欲しいというものでした。
もう採算度外視で、作ってみたいと思い製作開始。
8人いたのですが、パッと思いついたのが「白雪姫と七人の小人達」のイメージでした。
山の中を走ってもらったり、十円玉をいっぱい用意してもらったり、夜のコンビニの駐車場に
集まってもらったり・・・。
みんな、ロケを楽しんでもらったような気がします。
そして、最後のロケは、結婚式場の部屋を借り切って・・・。
結婚式の当日は、きっと素敵なプレゼントになったと思います。
友達を思う心、それが伝われば、少なくともその友達はきっと感動してくれたと思います。
一緒に製作を楽しませていただいた事と、心のこもったプレゼント作りに係われた事、
感謝します。
